子どもと楽しむ年中行事9月号|防災の日、秋分の日、敬老の日

夏休みが終わり、暑さもまだまだ夏まっさかりな9月! 引き続き、感染症対策と熱中症対策に気を配りながら、徐々に深まりゆく「秋」の気配を楽しみましょう。

二十四節気

季節の変化を知るために、地球が太陽をまわる一年を24に区分して、「春分」「秋分」など季節を表す言葉をつけてあらわしたものが、「二十四節気」です。農村ではこの二十四節気を基準にして種まきや収穫などをおこなってきました。

より細かく四季のうつろいを感じられるだけでなく、年中行事とも深く結びつくものもたくさんあります。


*-*-*-*-*-*-*-*-*
1月 小寒(しょうかん)/大寒(大寒)
2月 立春(りっしゅん)/雨水(うすい)
3月 啓蟄(けいちつ)/春分(春分)
4月 晴明(せいめい)/穀雨(こくう)
5月 立夏(りっか)/小満(しょうまん)
6月 芒種(ぼうしゅ)/夏至(げし)
7月 小暑(しょうしょ)/大暑(たいしょ)
8月 立秋(りっしゅう)/処暑(しょしょ)
9月 白露(はくろ)/秋分(しゅうぶん)
10月 寒露(かんろ)/霜降(そうこう)
11月 立冬(りっとう)/小雪(しょうせつ)
12月 大雪(たいせつ)/冬至(とうじ)
*-*-*-*-*-*-*-*-*

9月には、「白露(はくろ)」と、「秋分(しゅうぶん)」があります。

  • 白露(はくろ)9月8日ごろ(2023年は9月8日)
    野の草に露が宿り白く見える様子を表しています。この時期、日中はまだまだ暑い日が続きますが、夜が長くなり次第に朝晩は涼しくなってくるころで、昼と夜の気温差が大きく、日中の湿った空気が夜間冷やされることによって夜露や朝露が発生しやすいのです。
    またこの頃は、実りの秋を前に、台風が心配な時期でもあります。
  • 秋分(しゅうぶん)9月23日ごろ(2023年は9月23日)
    3月の春分の日同様、昼と夜の長さが同じになる日で、この日を境に日が短くなり秋の夜長に向かっていきます。太陽が極楽浄土があるという真西に沈むことから、亡くなった人をしのぶ日、とされています。
    春分の日・秋分の日、それぞれを中心にした前後3日間を含む計7日間を、春の彼岸、秋の彼岸とし、先祖のお墓参りをする習慣があります。「祖先を敬い、亡くなった人をしのぶ日」として国民の祝日になっています。
    「暑さ寒さも彼岸まで」と言われ、この日を境に涼しさが増してきます。

9月の年中行事、○○の日

9月の年中行事、「○○の日」をご紹介いたします。

●防災の日(9月1日)●

9月1日は1923年に関東大震災が発生した日でもあり、また、台風が発生しやすいシーズンでもあることから、地震や風水害に備えるための日として、1960年に「防災の日」が制定されました。

「防災の日」にしておきたいこと

小学校や幼稚園、職場などでも、この日前後に避難訓練を実施するところもありますね。

防災

日常生活のなかでは、身のまわりに災害がおこることは想像しにくいところではありますが、災害がおこってからでは遅いのです。いま一度、携帯や電話など通信網が混乱状態の時のご家族との連絡の取り方、避難場所、必要最低限すぐに持ち出せるものなど、この日を機にご家族で確認しておきましょう!

「政府広報オンライン」の防災対策の記事も参考になります。家の中では、「手の届くところに懐中電灯・スリッパ・ホイッスルを備えておく」など、今すぐにでもできる簡単なこともあります。ぜひ参考になさってください!

●重陽の節句(9月9日)●

菊の花

古く中国では奇数が「陽の数」として縁起がよいとされていたため、暦上で奇数が重なる日を「五節句」とし、季節の変わり目に無病息災や豊作を願い、季節の旬のもので邪気を払う行事としていました。「五節句」、すなわち1月7日(人日・じんじつ。1月のみ1日は正月にあたるため7日にずらしてある)、3月3日(上巳・じょうし)、5月5日(端午・たんご)、7月7日(七夕・たなばた)、9月9日(重陽・ちょうよう)、の5つです。

旧暦の9月9日は今の10月中ごろにあたり、まさに菊が美しい季節であり、菊は長寿をもたらすめでたい花、かつ強い香りで邪気を祓うとされていたため、重陽の節句では菊の花を飾ったり、菊酒を飲んだりしていました。

新暦の9月9日はまだまだ暑い盛りで、菊も盛りではありません。旧暦が新暦に替わって季節感が合わなくなり、この「菊の節供」は次第に廃れてきてしまいました。

起源となった中国では近年、この重陽の節句は「老人節」「敬老節」として、お年寄りを敬う行事もおこなわれているようです。

●十五夜(9月中旬~10月上旬)2023年は9月29日●

十五夜

日本の秋の風物詩ともいえるのが、十五夜、お月見ですね! 「中秋の名月」ともいったりもします。

月の満ち欠けで日にちを決めていた旧暦では7~9月が秋であったため、その真ん中の8月15日の満月を、「中秋の名月」「十五夜」とし、作物の収穫を感謝していました。十五夜のお月見は、美しい月を愛でながら、秋の豊作を願い、収穫に感謝する意味があるのです。

太陽の動きを基準にしている現在の新暦だと、旧暦の8月15日は9月7日~10月8日頃にあたり、その期間で満月が出る日を「十五夜」としています。

月にウサギ?! 「月ウサギ伝説」

月見

小さいころ、「月でウサギさんが餅つきをしている」と聞いた記憶がありませんか? それを聞いて、たしかに月面の模様が、そう見えるような見えないような・・・。この「月ウサギ」の由来に関して一番有名な説は、インドのジャータカ神話によるものです。

その昔、仲よく暮らしていたキツネ、サル、ウサギの3匹がいて、彼らはいつも「なぜ自分たちが獣の姿なのか」、「前世で何か悪いことをしたのだろうか?」、「ならばせめて今からでも人の役に立つことをしよう!」と話していました。
それを知ったお釈迦さまは、自らお腹をすかせた老人に姿を変え、3匹の前に現れどのような善行をおこなうか試したのです。
サルは木に登って木の実や果物を採り老人に差し出しました。
キツネは魚や鳥をとって、老人に捧げます。
ところがウサギは・・彼らのようにはうまくいきません。
それでも必ず何かもってくるから火を焚いて待っていてくれ、と言い残し、再度獲物を探しに行きますが、結局何も持ち帰ることができません。
するとウサギは、「私は何も採ることができません。なので、どうぞこの身を食べてください!」と、火の中に飛び込んだのでした・・・。
お釈迦様は3人の善行に、「お前たちが今度生まれ変わるときには必ず人間にしよう」といい、自らの身をささげたウサギは「月のなかに永遠にウサギのその姿を残すこととしよう」とおっしゃったのでした。

ちょっとしんみりするようなお話でもありますが、こうして、月のなかにウサギがいる、という定説ができたようです。

月見といえば、「月見団子」!

月見団子

お月見ときくと、すぐにお団子をイメージする方が多いと思いますが、なぜ団子なのでしょう?

お月見の時に「これからの収穫を祈る」という事で、収穫物であるお米で団子を用意したのが月見団子の由来だと考えられています。また、ススキを飾るのは、その形状が稲穂(お米)に似ているからで、本物の稲穂を供えることもあるようです。

また、十五夜は別名「芋名月(いもめいげつ)」ともいい、里芋など芋類の収穫を祝う行事でもあるのだそう! 秋の初物で作る「きぬかつぎ」は、十五夜には欠かせないお供え物です。その他にも、葡萄などのツルものは「月と人との繋がりが強くなる」という縁起のいいお供えものと言われています。

▶︎▶︎子どもと楽しむ「お月見」アイディア!
出典:CookPad

材料を混ぜて茹でるだけ! 簡単な月見団子をお子さまと手作りして、今年は行事食を楽しむ、特別な十五夜の夜にしましょう。

●敬老の日(9月第三月曜日)●

敬老の日

ハッピーマンデー制度により、9月の第3月曜日は「敬老の日」、すなわち、お年寄りをいたわる日、です。

敬老の日の由来

この祝日のはじまりは、兵庫県多可町でおこなわれていた「としよりの日」、なのだとか。「老人を大切にして、お年寄りの知恵を借りて村づくりをしよう!」という趣旨のもと、農作業が比較的暇な時期で、かつ天候がよい時期、ということで、9月15日に敬老会などを開いていたそうです。それが兵庫県に広まり、全国へと広がっていきました。

「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」というのが「敬老の日」の定義です。

海外における敬老事情

お年寄りをいたわる、という「敬老の日」はその由来が兵庫県の町であるように、完全に日本オリジナルの休日です。海外では、アメリカやイタリアなどでは似たような「祖父母の日(Grandparants’ Day)」という日があるようですが、これは、孫がいることが前提になりますね。お祝いの仕方は孫が自分の祖父母へグリーティングカードや花をプレゼントするのが一般的です。ちなみに海外で祖父母に贈る花として定番なのは、Forget-Me-Not(忘れな草)のようです。

中国ではお休みではありませんが、お年寄りを敬う日として「重陽節」があります。一家揃って先祖の墓参りをしたり、祖先崇拝に基づいた昔からの儀式を執り行ったりするようです。またこの日は、高台に昇ると幸運が訪れると信じられているため、高いところへハイキングに行く人も多いのだそうです。

アメリカでは9月の第二日曜日に「祖父母の日」は制定されているので特別なお休み、ということではなく、お年寄りを敬う日が国民の休日となっているのは日本だけのようですね。

何する、敬老の日?

敬老の日

身近なお年寄り、ご自身のおじいちゃまおばあちゃまであったり、またはお子さまから見ればおじいちゃんおばあちゃんにあたるご自身のご両親などに、「ありがとう」や「おめでとう」を伝えることが大事です。

お食事会を企画したり、ささやかなギフトを贈ってもいいでしょうし、お子さまと一緒に書いたり作ったりしたメッセージカードなどを送るのも素敵です。電話をしたりオンライン通話などを使って、離れていても直接顔を見ながらおしゃべりするのもいいですね!

大事なのは、「ありがとう」「おめでとう」の気持ち。お子さまには、おじいさまおばあさまから、お父さまお母さまが生まれ、そしてお子さまの誕生につながっている、そんな、普段は意識することのない命のつながりなんかを話してあげてもいいかもしれませんね。

▶︎▶︎子どもと楽しむ「敬老の日」アイディア!

ギフト派ならば、いつもおじいちゃまおばあちゃまが緑茶を飲んでいる、とか、こんなグッズをあげたらきっと便利になっていいね、など、お子さまと一緒に考えるのも楽しい時間です。

「2-U(トゥーユー)」は、おしゃれグッズから便利品までこだわりのオリジナルギフトを贈りたい方におすすめのサイトです。

また、手作り派なら、お子さまと一緒に世界にひとつだけのメッセージカードを作りましょう! 簡単にできて見映えのするメッセージカードの作り方をご紹介します。

●主婦休みの日(9月25日)●

こんな嬉しい響きの日、お母さんたちは知らないと損です!(笑) お母さんたちは、どんなに疲れていても、家事に休日はありませんよね。

そこで、1月25日、5月25日、9月25日を、「家事を休む日」として、サンケイリビング新聞社はじめリビング新聞グループが提唱しています。この日ばかりは、お子さまやお父様に、家事にチャレンジしてもらってもいいかもしれません。

とくに今年は「ステイホーム」で、おうち時間が長くなってお母さんの負担が増えてしまっているケースや、逆に、家族全員で家事を分担して過ごしているご家庭もあるでしょう。そんな特別な年の「主婦休みの日」は、「家族がお互いをねぎらう日」としての位置づけも提案されています。

休みのない家事に忙しい日々を、フと一日だけでも休んでみて、また明日からがんばろう、そう思えるきっかけになる日にしたいですね!

秋

いかがでしたか?

少しでも、新発見や、ご家族での会話、お子さまとの生活にプラスとなるようなことがあったのなら幸いです。

合わせて読みたいおすすめ記事